著:藤原美里 画:玖珂つかさ 集英社コバルト文庫*1薬師 中秋に弟子入りした女童 桃華は、食えや歌えの大騒ぎをやらかす毎日だが、彼が美女 霞月と親しくしていると聞いて――2006年ノベル大賞受賞作の中華神話ファンタジー。 一人暮らしの中秋は、当然のように…

著:西尾維新 画:西村キヌ 講談社ノベルス*1魔法使い りすかを《駒》として使う魔法使い使い 創貴は新たな《駒》ツナギとの共闘に成功するが、りすかの父 神檎が差し向ける6人の魔法使いとの戦いは続く――知力は百戦錬磨の老人なのに、根本は背伸びした子供に…

著:東浩紀 画:徒花スクモ 講談社現代新書*1伝統的な自然主義的な読解に加え、作品外的な事実が作品に呼び込む別の主題を捉える《環境分析》的読解による物語の行方論。 一時期話題になった人生は神ゲーだ*2の議論では、「人生は超リアル高性能なゲーム」とい…

著:川西蘭 画:池田進吾 ピュアフル文庫*1秘かに音大への進学を目指す慎一(17)、パパと新しいママの関係に心を痛める奈津美(14)。手を振った相手が自分だと勘違いして手を振り返したことがきっかけで二人は――正統派ボーイミーツガール小説。 川西蘭の作品に登…

著:渡瀬草一郎 画:洒乃渉 電撃文庫*1野盗天狗を捉えんと動く保胤の留守を清明宅で待つ男装の麗人 時継。彼女に傅く男装の美少女 貴年は、清明と梨花の息子 吉平の態度が気になって――人と妖の絆を結ぶ平安幻想譚。 外見は仲の良い男の子同士なんですが、実は…

著:嶽本野ばら 画:中村洋子 小学館*1生粋のロリータ 竜ヶ崎桃子とツレのヤンキー 白百合イチゴは、東京からの高速バスで亜樹美に出会うが走行中の車内で殺人事件が発生し――お笑いと感動のミステリー大作。 前編*2も映画*3も面白かったし、で、期待の続篇だっ…

著:山門敬弘 画:納都花丸 富士見ファンタジア文庫*1可憐な弟属性全開の煉をめぐって恋の鞘当てを演じる花音と達也の戦力バランスは、中国から来た美少年 朧の登場で大きく変動を――果たして煉を射止めるのは誰かラブコメ。 このシリーズ一押しの苦労性美少年 …

著:藤野恵美 画:大塚砂織 ミステリ・フロンティア*1娘ふうちゃんが心配でたまらない男やもめ人形作家ハルさんの脳裏に浮かぶのは、亡くなった妻 瑠璃子さんの謎解きの言葉――娘の成長と対比される父親の頼りなさほのぼのミステリー。 ふうちゃんの結婚式に出…

著:吉屋信子 監:嶽本野ばら 画:中原淳一 国書刊行会*1大正末期の女学校を舞台に、ブルジョアお嬢様 陽子と冷血なロボット模範生 一枝の間で揺れる個人主義者 牧子。三人の友情の行方は――乙女の夢、憧れ、誇りを謳い上げる大正浪漫乙女小説。 クララ白書(氷室…

著:大迫純一 画:BUNBUN GA文庫*1女性楽士の死体の側で精霊を見たという被害者の娘の通報に捜査を始めたマナガたちは、謎の精霊と被害者との過去の契約関係に気付き――黒ポリシリーズ第4弾。 今巻も倒叙ではなく、謎解きという観点からするとサスペンス系展開…

著:近藤史恵 文春文庫*1女形 芙蓉の妻 美咲から、好きな人がいるとのメールを受け取った付き人 実。芙蓉のライバル国蔵と密会する美咲の姿を見た実は――意識不明の美咲が好きなのは誰なのか歌舞伎ミステリー。 登場する男性の大半が女形で、しっとりはんなり…

著:五條瑛 写:オオタマサオ 集英社*1中国観光情報誌の出版社を装った米国情報機関で連絡係を務める仲上は、情報提供者《通》からの2年ぶりの連絡に――今より少し前の中国は、かつてのスパイにどう見えるかサスペンス。 この作者は腐女子モードで読むといい、…

著:藤原祐 画:椋本夏夜 電撃文庫*1幼馴染み芹菜の不在のまま戻る日常に苛立ちを感じる晶は、すべての元凶である父 樹に硝子と二人で挑むが――破壊と再生が飽和する学園アクション。 ほのぼのコメディパートとダークなシリアスパートが交互にやってくるところ…

著:中山可穂 画:小林直未 文春文庫*1能楽「弱法師」「卒都婆小町」「浮舟」をモチーフに、かなわぬままにあの世に消える恋を鎮魂して昇華する珠玉の短篇集。 同じ趣向の 近代能楽集(三島由紀夫) *2は、戯曲だけあって当然に、セリフ主体で地の文は殆どない、…

著:柴崎友香 装:原田晃子 河出書房新社*1修学旅行の夜、有麻に対して心理テストでセックスフレンドを意味する色を選んだ鳴海くんの思い出を確かめるため、予告せずに上京する――恋よりも特別な思いストーリー。 ストーカー的キャラとして登場した凪子ですが、…

著:嶽本野ばら 装:松田行正 新潮文庫*1無理解なスタイリストに反論する美人のモデルを見た《僕》は、ファッションとしての《ロリータ》を愛する人気作家 としての叡知の限りを尽くして彼女に与し、すらりとした肢体の彼女を正しい《ロリータ》で包むのだが――…

著:西尾維新 画:take 講談社BOX*1とがめを両手で抱え上げ、千段の階段を登る七花の今度の狙いは、三途神社の長 敦賀迷彩の持つ千本の妖刀『鎩』――駆込縁切神社は巫女だらけ時代劇。 とがめは、ある種机上の空論的な頭の良さを持ち、一方の七花は、単純素朴な…

本屋大賞、集計が終わったようで、業界関係者はすでに何が受賞したか判っている模様*1。名もなき毒(宮部みゆき) *2と一瞬の風になれ(佐藤多佳子) *3 *4 *5は吉川英治文学賞・〃新人賞をとったし、ということで、私の予想は、陰日向に咲く(劇団ひとり) *6。一…

編:北上次郎 画:木内達朗 新潮文庫*1読めば心は中学生。20年前に14歳だったあなたに贈るドキドキ中学生時代のアンソロジー。 コバルトシリーズにはまる切っ掛けになった「クララ白書」(氷室冴子)や、学生時代に好きだった「決戦は金曜日」(川西蘭)が、子供の…

著:野梨原花南 画:宮城とおこ 集英社コバルト文庫*1師匠スーチャの処刑前日、やっとのことで魔王達の召喚に成功したカリカだが、積極的に動こうとしない彼らを前に困りはて――駄目な男を蹴り飛ばす「魔王」シリーズ第2弾。 師匠のスーチャとヒロインのカリカ…