殺×愛 ―きるらぶ THREE―

yomimaru2006-05-20

bk1

読者に対する語り口が嘘っぽい主人公 密は、嗜血症少女にゃみちゃんの積極的かつ直接的なアプローチも華麗にスルーする毎日。命をかけたアダムとのゲームの中で、《あの人》と彼の関係が次第に明らかに――偽悪者密の世界のための物語。
今巻では、分をわきまえたハッカーにゃみちゃんが、サクヤに嫉妬してみたりチラリズムで密を誘惑しようとしてみたり、と大活躍。
今さらですが、オメガの反対がアルファ(アルパ)じゃなくてアダムだったり、ALICEじゃなくてARICEだったり、と、ところどころでこちらの予想が分断されるところが妙に印象的でした。
密の語りに嘘の存在を感じながら読むようになってしまったので、いわゆるセカイ系っぽい切実さ切なさ生きるの死ぬののシーンよりも激ニブ主人公のラブコメ展開の方を期待しているのですが、前巻*2に比べて今巻は少々抑えぎみ。でも家庭科実習の試食のシーンは良かった。
それにしても、密が待つ《あの人》の正体がこんなところでこんな風にわかってしまっていいのか。いやいや、これもきっと嘘。

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