初恋よ、さよならのキスをしよう

yomimaru2006-09-20

bk1
著:樋口有介 画:最上佐和子 創元推理文庫*1

妻子と別居して独身生活を楽しむ草平は、月に一度の娘サービスでやってきたスキー場で再会した初恋の女性 実可子が死んだと聞かされ――ほろ苦い思い出、38歳の青春探偵シリーズ第2弾。
高校時代のクラスメイトを訪問しては、それぞれの話を聞く形式で、探偵小説的に語り手がわざと話を隠したり嘘をいったり、何回も話を聞きに言ったりはするんですが、高校時代の良い思い出の裏にあるどろどろが今の今まで続いていて、そのどろどろが明らかになってくる展開は、ある意味で 悪女について(有吉佐和子) *2に似ています。
調査依頼者にして実可子の姪 ケイと草平のやりとりは、年齢に見合った男女の会話にはとても見えず、好きなのに反発しちゃう小中学生のよう。こういうところが青春なのかも。
草平の娘 加奈子は男女の機微に長けた小学生で、草平の行動をチェックしては出る一言、鋭く刺すのではなく、真綿で首をしめるところがいいです。これもサドロリか?

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