神様のメモ帳 2

失踪した父が残した2億円入りのバッグを手に助けを依頼したメオだが、海外からの出稼ぎの裏組織の暗躍にニート探偵団の面々は――ニートという割には結構しっかり仕事するティーンストーリー。
私の意識だと、パチプロやヒモは「無職」じゃなくて「自由業に従事」のイメージが強いんですが、本作ではニート扱い。ヒロイン アリスが部屋からほとんど出ないとの設定を見たときには、引きこもりとニートをつい混同してましたが、別段他人との交渉を恐れていないアリスの姿は、名探偵はひきこもりシリーズ(坂木司) *2 *3の対人恐怖症の鳥井とは随分趣きが違います。
ニート探偵団の面々は、別段共依存になっているわけじゃなくて、みんなそれなりに独立してしっかり生きているところが、否定的なニュアンスの「ニート」からはかけ離れています。特異能力を持つ点では、皆《一芸ニート》とでもいった方がふさわしいかも。
当初の謎解きサスペンス展開から、クライマックスで私好みのコンゲーム展開に移行。「作者の知識不足かも?」なんて思わせる台詞も、きちんと引っ掛けになっています。
なるほど語義上は、この辺りまでニートになるのか、を再確認させられた一冊でした。

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