このラノ2006分析(1) 作家別票数集計

前回掲載されていた作家別投票数集計(p.27)は、今回は残念ながら掲載されていません。そこで、前回との対比のため、近似値として《60位までに入った作品の票数による作家別集計》を作ってみました。複数作品がランクインしている作家がいるため、集計された作家は52人です。
あくまで近似値ではありますが、以下のように、ランキング作家が5つのグループに分類されました。この色は、作品ランキングの上位10位作品。この色は、作品ランキングの上位11位〜20位作品。この結果を見ると、書評人と普通人で傾斜配点をしたにもかかわらず、作家票数と作品得点数がきちんと連動していることがわかります。

順位票数作 家備 考
192時雨沢恵一 [72] リリトレ[20]
278桜庭一樹 [38] GOSICK[29] 荒野の恋[11]
374成田良悟 !![33] ヴぁんぷ![13] バッカーノ![28]
467西尾維新 言[67]
560桜坂洋 AYNIK[35] 現代魔法[18] スラム[7]
657谷川流 [57]
753川上稔 [53]
850渡瀬草一郎 [50]
942竹宮ゆゆこ [42]
1041浅井ラボ [41]
1139橋本紡 [39]
1238高橋弥七郎 [38]
1336賀東招二 [36]
1435片山憲太郎 [35]
1533喬林知 ()[33]
1632桑島由一 大沢さんに[12] 神様家族[20]
1632今野緒雪 [32]
1831上遠野浩平 [31]
1928葉山透 9S[28]
2027甲田学人 Missing[27]
2126三枝零一 [26]
2126ハセガワケイスケ しにがみ[26]
2324岩井恭平 ムシウタ[24]
2423吉田直 トリブラ[23]
2520壁井ユカコ キーリ[20]
2520滝本竜彦 NHKに[20]
2520有川浩 海の底[20]
2819高瀬彼方 デバフロ[19]
2918海原零 銀盤[18]
2918結城光流 少年陰陽師[18]
3117おかゆまさき ドクロちゃん[17]
3117鎌池和馬 とある魔術の[17]
3117小川一水 復活の地[17]
3415雪乃紗衣 彩雲国[15]
3514須賀しのぶ 流血女神伝[14]
3514十文字青 薔薇のマリア[14]
3514田口仙年堂 吉永さん家[14]
3813岩田洋季 護くん[13]
3912日日日 狂乱家族日記[12]
3912あざの耕平 BBB[12]
3912高野和 七姫物語[12]
3912新井輝 ROOM No.1301[12]
3912菅沼理恵 星宿姫伝[12]
4411田代裕彦 平井骸惚[11]
4411水口敬文 憐 Ren[11]
4411林トモアキ おりがみ[11]
4411谷瑞恵 伯爵と妖精[11]
4411米澤穂信 古典部[11]
4411清水文化 気象精霊記[11]
5010新城カズマ サマー/タイム[10]
518ヤマグチノボル ゼロの使い魔[8]
527山形石雄 司書爆[7]

八面六臂の第1グループ

複数作品がランクインしている時雨沢恵一桜庭一樹成田良悟桜坂洋と、戯言シリーズが圧倒的強さを見せた西尾維新の5人が作家票数上位5人。いずれも、複数のシリーズを持っていたり、単発作品を出して多面的な活躍を見せている作家です。
また、上位11人の第1グループには、作品ランキング上位10人が集中。やはり、強い作品を出すことが重要ということでしょう。
一気に第1グループ9位に入ったラノベデビューの竹宮ゆゆこ桜庭一樹もそうでしたが、ゲームのシナリオライター出身の「まっさら」ではない力強い勢いを感じます。

手堅い第2グループ

第2グループには、作品ランキング11位〜20位が集中。手堅いシリーズ人気が感じられる集団です。
作品ランキング外では、大沢さん と 神様家族桑島由一のほか、単独シリーズで、甲田学人ハセガワケイスケが第2グループに。 Missing と しにがみのバラッド。は、普通人受けが良いということですね。
シャナ、フルメタ、(マ)、神様家族マリみてブギーポップの6作と、アニメ化作品の作家も目立ちます。第1グループのアニメ化は、キノ、ハルヒ、半分の月の3作で、第2グループの方がメディアミックス展開が進んでいるような気も。

今年のブレイクは

今回1位の時雨沢恵一は、昨年の票数集計では12位。やっぱりアリソンよりはキノの旅、ということかも。「リリトレ[20]は勘定に入れません」にしても、キノ[72]だけで戯言[67]より票数が多いのに驚き。
昨年の票数集計からの大幅アップは、桜庭一樹 20位→2位、桜坂洋 38位→5位。シリーズが強いライトノベルの中で、単発作品を軸に票を集めているところにも注目。本文(p.24)でも触れられている通り、複数のレーベルとジャンルをまたにかけて活躍中の、blackcherry bobのブレイクがはっきり見えます。

次回予告

次回は、第1グループ♥印の意味とは? をテーマに、作家票数集計と作家得点数集計の対比を中心に分析していく予定です。