女信長
女婿 信長との対面に、甘い汗の香を感じた蝮 道三は人払いをして――普通の人間、女の信長譚。
内閣総理大臣織田信長(志野靖史)*2、謀反の動機はなんですか?(鯨統一郎) *3、織田信長推理帳(井沢元彦) *4 *5みたいな、一風変わった設定がある作品では、鉄砲の導入、桶狭間の戦い、楽市楽座、浅井の髑髏、本能寺の変の動機などにどうそれらしい理屈をつけるか、が見処なんですが、本作では「女」であることを根拠にして、なるほど、と思わせるのに成功しています。
前半の爽快でうつけ者な信長から後半の沈鬱でヒステリックな信長への変貌も納得の展開。戦国武将の《純情》を鍵にしたところがすごい。こういう奇想を待ち望んでいた、という感じです。
もう少し外伝で何篇か読みたい本作、お勧め。
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