ヘブンリー あなたに腹が立つ

目を閉じて10秒待つよりあごキッス

出会う前から憧れていたフォルミカと恋人同士になれたリクトには、国を守る人柱《ベルム》としての役割があって――君のために死ぬと言われた方はたまったもんじゃないファンタジー
ちょっと背が高くて漢っぽい美少女フォルミカと眼鏡でどことなく頼りないリクトのカップルがちゅーしまくる今巻、思い出しては嬉しがったり恥ずかしがったりするシーンがとにかく楽しい。自分達の世界に引き込もるんじゃなくて、友人達との関係をきちんと維持しているバカップルは、見ていて幸せになりますね。
本作のリクトは、自分が犠牲になれば皆が幸せになれるはず、と思わざるを得ない状況に追い込まれる点で、『妖精作戦 ラスト・レター』(笹本祐一) *2の超能力少女ノブと似た立場。本作の副題「あなたに腹が立つ」から、ノブの決断に子供心に腹が立ったことを思い出しました。
勝手に決めて勝手に完結してしかもそれが「君のため」だと勝手に満足しちゃう、そういうリクトの自己満足を叩き壊そうと怒りまくるフォルミカの姿が、漢らしい。良く思われつつ去ろうなんてムシが良過ぎる。爽快です。

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