俺の妹がこんなに可愛いわけがない

憎たらしい妹がエロゲオタでした。毎日が新しい発見です。

文武両道眉目秀麗稼ぎも十分、可愛げのない中学生の妹 桐野の隠された好みを知ってしまった俺は、人生相談を持ち掛けられ――オタクな妹とスイーツな妹の二律背反コメディ。
妹ゲーに勤しむオタクとしての自分と、オタクがフツーに嫌いな自分と、の境界でふらふら揺れ動く桐野は、《護身完了》していないところに妙なリアリティがあります。『らき☆すた』(美水かがみ) *2でいえば、オタク完成形の こなた ではなくそういう自分をちょっと認めたくない かがみ に近い感じ。
妹のオタクっぷりに理解を示してしまう一般人の《俺》の方が本来ならずっとファンタジーなはずなのに、意外に嘘っぽくありません。桐野の《俺》に対する態度に肉親ならではの傍若無人さが強烈で、媚びが見られないからかも。
本作のストーリーラインからすると、桐野の趣味の対象が美少女ゲーであることは本質ではなくて、オタクであることが問題、ということになりますが、かりに桐野が、『となりの801ちゃん』(小島アジコ) *3ばりのBL好きの腐女子で、学校ではそれを隠している、というような状況でも、《俺》は同じ行動に出られるのかどうか。
いやむしろ妹は腐女子版の方が、本作のクライマックスの決め台詞は衝撃的に盛り上がったかも? そのバージョンを架空設定の番外編か何かで読んでみたい。

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