AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜

夜の学校で魔物を討つ舞には佐祐理という理解者が

戦士症候群を克服し、何とか高校デビューにこぎつけた俺が出会ったのは、小さな手をした孤独な青の魔女で――彼女の妄想はオール理解の学園ラブコメ
幼い頃超能力に憧れて、蝋燭の炎に菩薩の姿が浮かぶまで見つめたり、四肢の先端が温かくなるイメージを抱きながら呼吸を整えたり、そんな特訓をしたことがある私ですが、本作を読んで、『シークエンス』(みずき健) *2が登場した頃には既に、この世の汚泥に すっかりまみれてしまっていたことを懐しく思い出しました。
表面的には邪気眼モノっぽいですが、話の根本は、おちぶれたかつての勇者が新たな勇者に出会って昔の自分を取り戻すストーリー。たとえば『少林サッカー*3と対比すると、おちぶれた《黄金の右脚》ファンは《俺=一郎》、少林拳を世界に広めんとするシンは《彼女=良子》の役回り。『少林〜』の結末は、全世界が少林拳まみれになりますが、そんなドタバタな結末は、本作もちょっと似ています。
ぼくの地球を守って』(日渡早紀) *4を読み返して、あの頃の自分を気恥ずかしく思い出したくなる一冊。お薦め。

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