夜叉沼事件

猫は猛獣

かつての依頼者 美樹のアタックに戸惑い気味の俊介は、中学の担任 松永の依頼で、20年前の誘拐殺人事件の真相を究明することに――初心で控え目な少年探偵第三弾。
初出が約二十年前のこの作品ですが、当時としてもおそらく純な部類に入るであろう俊介。たとえば、『アクセルワールド』(川原礫) *2の主人公 ハルユキの曲り具合と比べたら、同じ悩める中一とは思えません。その素直さは天然記念物モノ。
所長の野上に気がある喫茶店員アキにしても、アプローチの仕方がちょっと古風で懐しい。
熱血ではないけれど、ちょっと知的で真っ直な、かつての少年の理想像にノスタルジーを感じたい方にお薦め。

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