雷撃☆SSガール / 神と世界と絶望人間03-08

世界征服の第一歩はつぶれかけの会社から

全世界を新秩序で支配せんと目論むブランフォート家に対向するのは、世界征服を目指すリン、そして、ブランフォート家に因縁のあるリザ――お金苦いかしょっぱいか、マネーゲームサスペンス。
造物主であることを自覚していないヒロインが主人公の『涼宮ハルヒの憂鬱』(谷川流) *3に対して、本書第1巻のヒロインは、帝王たらんことを目指すリン。SOS団とSSファンド、キャラ配置は結構似ていますが、ヒロインの目的意識の差がこの展開の差に繋るのか。
一方で、ブランフォート家に傷付けられた天才少女リザと海斗の歳の差カップルが活躍する第2巻は、『BLOOD LINK―獣と神と人』(山下卓) *4をずっと陽気にした感じ。
両作とも、とんとん拍子に作戦が成功するところが超カイカン。一方で、マネーゲームに群がっては損をする一般人に対する冷たい視線が印象的です。現実に起きた事件に、ちょっと陰謀論めいた解説が付く地の文が、第2巻で海斗達がとる作戦にも類似していて、ド迫力。
国際派ジャーナリスト落合信彦の作品と一緒に、のお薦め。

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