現地独占記事訳 All You Need Is Kill 映画化

恋のデジャ・ヴなら新田恵利

ハリウッド映画化が着々と進んでいる*1All You Need Is Kill』(桜坂洋) *2 *3ですが、大元の一番詳しい記事を書いたMIKE FLEMINGから飜訳OKとの連絡をもらいましたので、紹介します。かっこ内は訳注で、飜訳・訳注の文責は私にあります(誤訳や相応しい訳が見つかったら適宜修正します)。
ちなみに日本語のニュース記事は、シネマトゥデイアニメ!アニメ!ビズなどにもあります。

ワーナー、日本の小説『All You Need Is Kill』に対して金額7桁の先行投資契約を結ぶ

マイク・フレミング 2010年4月5日午後12時53分 EDT

独占記事 ワーナーブラザーズは、桜坂洋が原作を書き、ダンテ・ハーパーが脚本化した日本の小説『All You Need Is Kill』の(について提示された)約300万ドルの買取価格に対して、7桁前半(百万ドル〜数百万ドル)の金額を支払うことにした。この契約が成立したことで、脚本家たちやその代理人は、売り先が決まる前に脚本を書くことの意義を再考せざるを得なくなるだろう。ワーナー役員ジョン・バーグと制作代表グレッグ・シルバーマンは、権利の取得に直ちに動き、先週金曜日に契約を結んだが、その契約には、「制作を積極的に進める」という文言が含まれているので、撮影開始はおそらく12か月以内になるだろう。

この小説のオリジナル版は日本の集英社により発行され、英語への飜訳版はビズ・メディアにより発行された。ドリームワークスの元役員、現在はビズ・メディアの制作代表であるジェイソン・ホフスは、この企画をスリーアーツのアーウィン・ストフとトム・ラサリーに担当させた。彼らはこの本の売買選択権を昨年の秋に取得し、脚本家を巻き込んだ。シーエーエーとマネージメント360に所属するハーパーとその代理人は、売り先が決まっていなくても執筆を開始すべきだと考え、ピッチ(脚本が完成しない状態での売り込み、資料なしの口頭の売り込み*4 )はしないことに決めた。とにかく話の進みが遅いこの素材市場では、ピッチは最も一般的な戦略である。スタジオが参加してしまえば、脚本家とプロデューサーは先に進むだけでいいからだ。ただし、ピッチの時点では 単なるアイディアしか存在しないから、大スターや有名ディレクターが参加していなければ、契約は通常 6桁前半(十万ドル〜数十万ドル)で結ばれることになってしまう。スタジオが進展中の案件の予算を大幅に削減していたり、払う金がなかったりすれば、ピッチをしても まったく売れないこともある。
作品に金をつぎ込み、草稿の執筆を進め、プロデューサー達と推敲を重ねることによって、ハーパーは、泥沼のようなピッチを飛び越え、初めて7桁の大金を得る日を迎えることとなった。彼は、早期に完成する映画をワーナーにプレゼントすることによって、「6桁の男」と注釈されていた立場を向上させたのである。ちなみに ハーパーが最近書いたのは、パラマウントが企画し、プラン・ビーとデビッド・フィンチャーがプロデュースする『ブラック・ホール』の脚本である。ハーパーには、他にも進行中の脚本がある。たとえば、彼が監督をしたいと考えている『ドリームランド』は、米国内のテロリスト、ティモシー・マクベイのドラマである。パラマウントによるベネット・ミラー監督の『インモラリスト』も、その一つである。また、彼は、ルパート・サンダースと共同で『ワイルド・ギース』の脚本も書いているが、これはワーナーのシルバーマンの依頼によるものである。ちなみに シルバーマンは、今回の契約を結んだ相手でもある。
あらすじは、『恋はデジャ・ブ』(『Groundhog Day』*5の邦題)のプロット上の仕掛けを、近未来のエイリアン侵略ストーリーに組み込んだものである。異星生物との戦いに徴兵された初年兵が戦闘中に死亡する。しかし彼は、何度も同じ日に生まれ変わり、同じ運命に苦しむことになる。最終的には、彼は、自分自身が兵士として成長するとともに、他の環境も変化しており、それによって結末が変わるかもしれない、ということに気付く。
映画は、ストフ、ラサリー、ホフス、および、エクゼクティブ・プロデューサー福原秀己によって制作されることになるだろう。

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