七花、時跳び!

本人を勘違いさせる悪い取り巻き
著:久住四季 画:明星かがよ 電撃文庫*1

突然階段の上から落ちてきた後輩 七花。どうも彼女は突然タイムトラベラーになったらしい――異能を得て調子に乗るのは誰?の時間旅行モノ。
過去に戻れると知ってやることのショボさ、小市民な度合は、『時をかける少女』(細田守) *2と共通するんですが、『時を〜』のヒロイン真琴は自ら進んでこの能力をどうでもいいことに使うのに対して、本作では、先輩である《僕》が調子にのって七花を唆す展開。

時をかける少女 通常版 [DVD]あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)幽霊には微笑を、生者には花束を (ファミ通文庫)

タイムトラベラーであるにもかかわらず、現実的で常識的で、地に足の着いた幸せを願うヒロイン像って、実は珍しいかも?ついつい《僕》を甘やかしちゃうあたりなんか、実は、ドラえもんが七花でのび太が《僕》、な関係なのかもしれません。
決定論的な未来に悲観する《僕》には、是非『あなたの人生の物語』(テッド・チャン) *3や『幽霊には微笑を、生者には花束を』(飛田甲) *4をお薦めしたい。