白い花の舞い散る時間 〜ガールズレビュー〜

yomimaru2005-09-07

bk1

同じ塾に通いながらも本名は隠し、ハンドル名でつきあうチャット仲間の5人の少女(?)は、さらに偽名を使って五日間のオフ会を開くことに。ところが人里離れた古い洋館「ムラサキカン」に集まったのは――2005年度ロマン大賞佳作受賞作のリリカル・ミステリー
オフ会開催後でも気兼ねなくチャットができるように、ハンドル名すらわからないようにして直接会おうとする5人の行動が、彼女たちの心の奥底にある影を妖しく暗示しており、サスペンスの気運が弥が上にも高まり、Yの構図(島田荘司) *2や冷たい校舎の時は止まる(辻村深月) *3 *4 *5のような緊張感が感じられます。
本作のような方向性の作品が受賞する、という、ロマン大賞の懐の広さにも驚きました。そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティー) *6というよりは、11人いる!(萩尾望都) *7少年ドラマシリーズ版のダークさをもっと濃くした感じですが、この辺りが好きなら、是非どうぞ。お薦め。

><

群像で

群像 2005年10月号

群像2005年10月号*1に「コンラッドの末裔たち 1900/2000 桜坂洋平山瑞穂山崎ナオコーラ論」(福嶋亮大)という評論が掲載されているようです*2佐藤友哉論とか、奥泉光+北村薫+法月綸太郎の座談会とかも掲載されているので、明日買ってみよう。

追記
→ 読んだ感想はこちら