2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

涼宮ハルヒの陰謀

著:谷川流 画:いとうのいぢ 角川スニーカー文庫*1暴走した長門の後始末も終わり一安心の俺。節分の豆まきも無事にこなしたSOS団だが、何かブルーなハルヒの様子が気にかかる。そんな俺の前に、8日後の未来から〈俺の指示で〉みくるがやってきた。これからの8…

タム・グリン 硝子の森

著:青木祐子 画:東条さかな *1妖精つかいの少年イオと想いを通じた妖精と人間の混血少女シェランだが、突然帰ってきた父ロランが母の元へ行こうと彼女を誘う。ロランの振舞いには何か裏にありそうで――種なんて大した問題じゃない恋愛モノ。 身の丈に合った幸…

ボーイズラブって

ボーイズラブ系小説でも面白いものは好きです。ヘテロも百合も薔薇も、カップルも三角もハーレムも総受けも、プラトニックもアダルトも、何でもありの方が読書生活は楽しいと思うのです。 もしかしたら古株すぎて、世代的にBLには入らないのかもしれませんが…

あきらめのよい相談者

著:剣持鷹士 画:杉田比呂美 創元推理文庫*1ボスに相手をさせられない変な依頼人が持ち込む謎が、独立を目指しながら事務所に居候する勤務弁護士の僕に降りかかる。今回も受験生の光輝を頼らないといけないのか――安楽椅子探偵の事件簿。 民事系の法律事務所が…

不思議使い

著:葛西伸哉 画:URA MF文庫J*1転校を繰り返す中学生未嗣は、過去に学園七不思議の正体を暴いた経験から、クラス委員 鈴と看護婦が保険室で生徒を襲った事件の調査に乗り出すが、彼の前に現われた三人の女生徒は、他の生徒には見えなくて――新感覚学園ファンタ…

山姫アンチメモニクス

著:三上延 画:榎宮祐 電撃文庫*1人の記憶を操る山姫一族の末裔 翠は、里を抜け出した姉 風花を追って街に出る。異性を魅了する山姫の力に鈍感なカズキは、人の記憶を奪う風化が起こす騒ぎに巻き込まれ――早とちりおせっかいコメディ。 人の悩みを解決するには…

重力ピエロ

著:伊坂幸太郎 新潮社*1連続放火事件の現場に残された落書きが意味するものは。謎に挑むのは、落書き消しを業とする春と遺伝子解析業社に勤める泉水の兄弟だが――「これが代表作」。 ミステリーの近代史と分類を簡単に知るには、愚者のエンドロール(米澤穂信)…

小説新潮で

2ちゃんねる情報*1 *2と第17回日本ファンタジーノベル大賞の受賞作が掲載されていたので、小説新潮*3を見てみました。 次号予告によると、9月22日発売の小説新潮2005年10月号の特集は「秋の夜長は、ミステリー」、座談会「新進作家による21世紀型ミステリー…

あそびにいくヨ! 7 とってもあついのキャーティアシップ

著:神野オキナ 画:放電映像 MF文庫J*1キャーティア母船に招待された騎央とアオイ。エリスの〈実家〉に向かう三人の小旅行、三角関係の進展はどうなるのか――ハーレムエンド待望コメディ。 猫の人 キャーティアは愛されるための〈社交〉というものを本能的に身…

奇蹟の表現 II 雨の役割

著:結城充考 画:KEI 電撃文庫*1再び修道院で働くことになった元マフィアのボス シマ。亡くなった娘に似た少女ナツにあいかわらず振り回される彼だが、またしてもナツの主張で、納骨堂に潜んでいた綺麗な子供オズをかくまうことになり――猪型サイボーグ ハード…

週刊読書人で

紀伊國屋BookWebの新聞書評の掲載本コーナーを見て、週刊読書人*1の2005年8月12日号*2を入手しました。記事「エンターテインメント〈8月〉今月のおすすめ!!」の紹介作は、時代小説3作、SF 3作、ミステリー3作で以下の通り。 絶海にあらず(北方謙三) *3 *4 孤…

異形コレクション XXXIII オバケヤシキ

監修:井上雅彦 表紙:三浦悦子/谷敦志 光文社文庫*1闇に愛されし館〈オバケヤシキ〉をテーマに書き下ろされた十九短篇のアンソロジー。小中千昭や桜庭一樹、菊地秀行など、何回か読み返している作家の作品も掲載されていたので買ってみました。 小中千昭「DEA…

天国に涙はいらない 11 メイドの途の一里塚

著:佐藤ケイ 画:さがのあおい 電撃文庫*1たまの墓参りに付き合って夏の小旅行と洒落込んだ賀茂一行だが、朽ちた洋館のドアノッカーと叩くと、中からお蘭と名乗るメイドが現われ、賀茂達を主人の友人と間違えて引き止め――新刊は、〈天下統一〉を目指す女子高…

平井骸惚此中ニ有リ 其五

著:田代裕彦 画:睦月ムンク 富士見ミステリー文庫*1同日に開かれる骸惚の腹違いの弟の婚約パーティと涼の友人のホームパーティ。骸惚夫妻と潑子は前者に、涼と太一は後者に、出席することになるのだが―― 成長する太一に骸惚が喰われつつあるような印象のこの…

近況

明日から数日、更新はお休みの予定です。

まいじゃー推進委員会!リニューアル

ライトノベル・ファンパーティの代表でもあり、各種解説本への寄稿など活躍目覚ましい極楽トンボさんですが、まいじゃー推進委員会!の素朴な意見求むについて。「本日の名台詞」の前に固定リンク、もしくは、日単位で記事の冒頭に固定リンクがあると嬉しい…

らぶとラブる!? 学園サンクチュアリ

著:早見裕司 画:夢野みかん 富士見ミステリー文庫*1私立小平白百合学園の奇妙な公認カップル制度で圭介との交際を認められた夏樹だが、圭介の人気が上がりつつある現在にヤキモキ。ここは一つ、ふたりでしけこむ部室をゲットしようと、生徒会と推理対決をす…

魚か肉か食い物

著:倉知淳 講談社小説現代2005年9月増刊号メフィスト*1明日香の地味で引込み思案な友人早苗には秘密がある。明日香にしか告げていない恥ずかしい趣味、それは大食い。フードファイター早苗とセコンド明日香は、今日も味と量と時間の戦いに挑む――ふと手にとっ…

グースカ夢見る問題児

著:森奈津子 画:D.K 文鳥出版/森企画*1登校拒否中のあたし秀子は、迷い込んだ夢の中の〈学校〉ですかしたイイ男白川、スケ番を気取る美雪、大阪芸人幸太郎、ガラス細工の美少年ミノルに出会うが、白川とミノルには妖しい謎が――学研レモン文庫*2で発行された…

有明夏祭り

コミックマーケット68に行ったりしてますので、更新が少々途切れるかも、です。

昔話の深層 ユング心理学とグリム童話

著:河合隼雄 講談社*1私がユング心理学に興味を持ったきっかけは、LaLaで連載されていたエイリアン通り(成田美名子) *2の囲み記事や、ぶ〜けに掲載された樹魔・伝説(水樹和佳子) *3などで「無意識」というものに興味を持ったからでした。 本書は、ユング心理…

いぬかみっ! 7

著:有沢まみず 画:若月神無 電撃文庫*1魔道師赤道斎が蘇り、大妖狐が封印から解放されようとしている今、ようこの顔に生えたひげをなくすべく、啓太は努力するが――ハイテンション・ラブ・コメディ。 へそ出し元気娘のくせに怖い話が大嫌い、健康運動少女で男…

夏とスラムと少女の死体

前回は、スラムオンラインとサマー/タイム/トラベラーの物語構造上の差異について指摘するとともに、げんしけんや究極超人あ〜るとの相似性に言及した。 今回は、前回言葉が足りなかったかもしれない「ユートピア」の捉え方から、話を始めることにしよう。 …

げんしの光、スラムの夏 (第2回)

いつもと同じ書きわりのターコイズブルーの抜けるような空の下、ハリセンを持った饗子がちょっととぼけた悠有をネタに遊ぶ夏、いかがお過ごしでしょうか。第2回です。 前回は差異を中心に書いたつもりが、読み返してみると、結構共通点に言及してますね。共…

グラーレンの逆臣

著:雨川恵 画:桃季さえ 角川ビーンズ文庫*1幼い妻ユスティニアと言い争い、気まずいまま戦闘が始まろうとするグラーレン国境に向かった王の異母弟アレクシード。なぜか懐かしい町、既視感を覚える風景の中、敵軍からの裏切りの誘いが――激動のアダルシャン・…

MSN毎日新聞に二本桜が

よくわかる現代魔法 TMTOWTDI たったひとつじゃない冴えたやりかた(桜坂洋)*1の書評が毎日新聞MSNニュースに掲載されています(CAXの日記より)。これって、まんたんブロード VOL.13(2005年6月25日号) *2に載ったのと同じ内容ですね。同じ号に掲載の 荒野の恋 …

コッペとBB団 その1

著:田口仙年堂 画:はしもとしん ファミ通文庫*1悪の組織BB団の地下基地に突然あらわれた幼女。「あいす、たべたい」という彼女の言葉に、戦闘員の日常生活を支える兵站担当のQ三郎たちはおおわらわで――少女コッペと気持ちの良い悪者たちのほのぼの熱血コメデ…

ライトノベルキャラクターズ完全ファイル

画:ヤスダスズヒト他 宝島社*1大人気キャラクター101人の魅力に迫る! 本なわけで、眺め終わったあとに残る印象は、今までの〈ガイド本〉がアニメックやOUT(両方とも廃刊か……)、本書が月刊ニュータイプ、という感じ。喩えが古すぎですか? キャラとの新しい…

げんしの光、スラムの夏 (第1回)

年齢が公表されている桜坂洋と生年不詳*1の新城カズマは、歳からすれば確かに同じ世代に属するのだろうし、スラムオンラインもサマー/タイム/トラベラーも、リアル・フィクションという共通ラベルを使っている。 よろしい、確かに二人は同じ世代だ。でも二人…

オタク第2世代って

渦状言論*1 *2と さて次の企画は*3 *4で、桜坂洋と新城カズマは二人ともオタク第2世代、と指摘されたことから私の中に生じた奇妙な感情。 これって、そうですね、宇宙戦艦ヤマト(1974年〜)も機動戦士ガンダム(1979年〜)も両方ともテレビまんがでしょ? と子…