伊坂

蝦蟇倉市事件

腕、首の切り様は、蝦蟇倉様に候ふな編:東京創元社 画:佐久間真人 ミステリ・フロンティア*1 *2 *3年に15件もの不可能犯罪が起きる蝦蟇倉の住人は、大人も子供もどこかハレ気味で――競作11作のお祭り騒ぎアンソロジー。 架空の街を舞台にしたこの競作集ですが…

チルドレン

著:伊坂幸太郎 画:宗誠二郎 講談社文庫*1衆人からはうかがい知れない自分本位の倫理で行動する陣内に困惑しつつも、彼の意外な行動で明らかになる不思議な真実に皆は驚き――心暖まる5篇からなる連作短篇集。 銀行強盗が人質全員に自分と同じ格好をさせるイン…

終末のフール

著:伊坂幸太郎 集英社*1小惑星の衝突が予測されてから早3年、人類滅亡まであと5年、穏やかさを取り戻した仙台市北部の団地。絶望と騒乱の傷癒えない人々は――世界が終わる前の溜息の物語。 以前に読んだ「演劇のオール」*2もこの連作短篇集の一篇でした。人類…

小説新潮2005年10月号

小説新潮2005年10月号には、「若手作家座談会 “ラノベ”世界へようこそ!」〜桜坂洋×桜庭一樹×とみなが貴和×大森望(案内役)」も掲載されています。小説新潮の主要読者層の年代に相当する、作家本人の父母に自作を読んでもらったときの感想が面白いですね。 交…

オーデュボンの祈り

著:伊坂幸太郎 画:三谷龍二 新潮文庫*1肯否を逆に言う画家、他人にはわからぬ理由で人を殺す詩の愛読家、未来が見えるが未来は語らない案山子、地面に寝転がって音を聞く少女ら、奇妙な人間が住む荻島に連れてこられた伊藤。案山子がバラバラにされ、頭を持…

重力ピエロ

著:伊坂幸太郎 新潮社*1連続放火事件の現場に残された落書きが意味するものは。謎に挑むのは、落書き消しを業とする春と遺伝子解析業社に勤める泉水の兄弟だが――「これが代表作」。 ミステリーの近代史と分類を簡単に知るには、愚者のエンドロール(米澤穂信)…

アヒルと鴨のコインロッカー

著:伊坂幸太郎 東京創元社ミステリ・フロンティア*1弱気な大学生椎名は、黒尽くめの美青年カワサキに本屋襲撃の同行を要請される。カワサキと喧嘩中の琴美は留学生ドルジと動物殺しの犯人から逃げる――二人の視点が交錯する清冽なミステリー。 犬はどこだ(米…