X雨

yomimaru2005-12-21

bk1

限られた人だけを濡らす“X雨”を避けるため、晴れた日もレインコートを着る少年との15年前の出会いが、作家里緒香月(さとおかづき)をあの街へと誘う――回想と小説と分析が交錯する謎解きホラー。
X雨に降られる少年少女たちが力を合わせて戦うシーン、〈飛空視鬼式〉〈結界晶石〉などのネーミングに郷愁。子供の頃に耳で聞いた話を微に入り細に入り分析する場面があって、元のシーンに戻るために読み返したり、伏線たっぷりのミステリーのような読み方をしてしまいました。
クリスマス・テロル(佐藤友哉) *2が好きなら、と言われて読んでみたんですが、テキストが現実との境界を超えるように見せておきながら、最終的にはテキストの世界に納まるところ、似ているかもしれません。
この本の発行は2000年12月なんですが、不思議じゃない国のアリス(沙藤一樹) *3が出る2003年10月より前に読んでいれば、もっとホラー分が多くなったかも。