銀の砂
ベストセラー作家 豪徳寺ふじ子との三角関係から、彼女の秘書をやめて他の男との結婚に逃げた珠美。作家となって離婚した珠美は、流産で入院したふじ子を見舞うが――壊れたあたしたちを過去が追いかける長篇サスペンス。
壊れている、とは帯の惹句ですが、きみとぼくの壊れた世界(西尾維新) *2や上手なミステリの書き方教えます(浦賀和宏) *3とは違った、しっとり落ち着いた壊れ方。
2つの三角関係、2つの嫁姑関係、火曜サスペンス劇場系で人気を博するふじ子に火サス系の展開と、共鳴し合う構図の中の微妙な差異が凄い。
断崖絶壁での犯人告白とは一味違う結末ですが、エンドロールなら岩崎宏美*4、という方にお勧め。
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