中等部超能力戦争

著:藤野千夜 写:野村浩 双葉社*1

意地悪すると災難に会うと噂されるしーちゃん につきまとわれ続ける はるかは、彼女が投稿した小説を読んで――意地悪で醒めた少女達のリアル学園小説
はるかも含め、登場人物の女の子たちがする苛めが、いかにもスケールが小さくて、復讐譚にならないほどの卑小さなだけに、かえって嫌な後味が残ります。
しーちゃんに対する苛めも積極的なものではなく、消極的な村八分系のもので、彼女が発揮する超能力もショボい。世界を守る力も世界を破滅させる力も全然ない、身の丈に合ったショボさ。言葉や視線、悪戯によるありふれた意地悪と大差がないせいで、超能力が出てきても現実からの距離を感じません。
題名が超革命的中学生集団(平井和正) *2 *3に似てたこともあって手にとったんですが、本作の超能力のいじましさ、発揮される超能力の爽快感の少なさは、時代の流れなのかも。

><