運命の女に気をつけろ 劇団・北多摩モリブデッツ、怒涛の36日間

俺だけは今までの奴らと違うと信じたい男心
著:沢村鐵 画:宮尾和孝 ジャイブ*1

気立の良い美人女優 安藤夏姫を客演に迎え、初の恋愛劇に挑む小劇団の面々は、彼女には男優を手玉にとっては再起不能にするという噂を前に――サークルクラッシャーと運命の女の微妙な差ストーリー。
総勢6名、女は一人のむさ苦しい大学小劇団、北多摩モリブデッツに襲来するのは、彼らのファンだと感激する夏姫。いわゆるサークラものだと、劇団がボロボロバラバラになっていく過程をじめっと暗く楽しむことになるのですが、本作の場合、あっけらかんと男女関係が進み、からっと晴れわたった失恋劇が繰り広げられます。
彼らの演目は恋愛劇で、彼らの怒涛の経験はすべて、「I got it!」的に舞台に役立ちます。四人のドロドロの恋愛劇がロミジュリ舞台と並行する『ロミオの災難』(来楽零) *2とは違った意味で素敵。
そして、男達を手玉にとった夏姫の本当の目的が明かされる衝撃のラスト。これには度肝を抜かれました。お薦め。

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