横柄巫女と宰相陛下

アロエリーナは聞き上手
著:鮎川はぎの 画:彩織路世 小学館ルルル文庫*1

言葉足らずの返事のために仲間から目の敵にされる巫女見習いのノトは、戴冠の儀式に合わせて宰相カノンを亡き者にしようとする世継エリオの陰謀に巻き込まれ――不器用な男女が理解し合えるまでファンタジー、第2回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門期待賞受賞作。
日常会話では、ひとまず相槌だけはうっておく、ということが重要なようで、どう答えようか熟考して返事をしないでいると、相手に「話をちゃんと聞いているのか」と詰め寄られるタイプの私としては、方向性は違うものの、不器用なノトの悩みにちょっと共感。
カノンとノトに対してエリオが仕掛ける陰謀は、『キャンディ・キャンディ』(名木田恵子) *2でキャンディとテリィに対してイライザが仕掛ける陰謀と同趣向なんですが、こういう手段を男がとると、彼の卑小さが一層極立つ感じ。
今巻では、ノトの唯一の理解者サナの性格のうち「良い娘」面だけが出ている印象。次巻以降では、ノトよりもサナがどういう葛藤を抱くのか、を見てみたい。

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