あきらめのよい相談者

yomimaru2005-08-29

bk1
著:剣持鷹士 画:杉田比呂美 創元推理文庫*1

ボスに相手をさせられない変な依頼人が持ち込む謎が、独立を目指しながら事務所に居候する勤務弁護士の僕に降りかかる。今回も受験生の光輝を頼らないといけないのか――安楽椅子探偵の事件簿。
民事系の法律事務所が舞台になっているため、謎の中心となるのは殺人事件ではありません。高校時代の友人の弁護士に漏れ聞く法律事務所の状況が、より具体的に迫ってくる印象。裁判では弁護士は何を考えているのか、弁護士は何のために働くのか、興味深い話題が満載。
この三つのどれかだという推理結果を聞いて真実はどうだったのか尋ねる友人に、「そんな質問は実践的には無意味。裁判とは、こちらの主張が正しいと裁判所に思わせること、あるいは、相手の主張が正しくないと思わせること。実際に起こったことが何か考えてもしかたがない」と答える〈僕〉の言葉がとても重く感じられます。

ボーイズラブって

ボーイズラブ小説でも面白いものは好きです。ヘテロも百合も薔薇も、カップルも三角もハーレムも総受けも、プラトニックもアダルトも、何でもありの方が読書生活は楽しいと思うのです。
もしかしたら古株すぎて、世代的にBLには入らないのかもしれませんが、榊原姿保美の龍神沼綺譚*1 *2や青月記*3は今でもときどき読みたくなります。あと小説JUNEに載っていた渡辺多恵子が挿絵の短篇(作者と題名は忘れちゃった……)。富士見二丁目交響楽団シリーズ(秋月こお)*4も好きだったなあ。もう23冊も出てるのか。
最近はBLはあまり追っていませんが、面白いと聞けば買うのに抵抗はないですね。むしろ立読みしている女性が私の姿を見てぎょっとする?のが気の毒なくらい。
コンバンハチキンカレーヨ再で「会う人から『エロ本って一冊読んだらお腹いっぱいになりませんか?』と訊かれます。慣れてしまったらどうってことありませんが」*5とおっしゃっているのと同じで、ある程度数をこなせば「楽しみ方」がわかってくるんじゃないでしょうか。