プレゼント/花ごはん
プレゼントはコミケット66の新刊。既刊の花ごはんと一緒に入手しました。
プレゼントは、開かずの踏切をモチーフにした掌篇です。買物をしてスーパーを出た後、踏切を渡って家に帰るまでに起きる事件。そこで巻き戻しを起こして — 時間ループ強化月間っぽい「匂い」のする作品です。ごくごくありふれた日常を描いているにもかかわらず、最後まですっと読めるのは、安定した綺麗な筆致によるものでしょう。
花ごはんは、花を喰らう鬼と少年のちょっと切ない出会いと別れの話。冬コミで出る本には著者の観劇リストが掲載されています。自分が見に行った興行が入っているのを見ると、やはり！と思いますね。
すずらん社が出す文庫本サイズのコピー本は、毎回のコミケットの楽しみの一つになっています。同人誌作品の場合末森ちはる名義で、プロ作家の場合は谷山由紀名義で活動されているようです。どんな形にせよ、こうして谷山由紀作品が読めるというのは幸せですが、またどこかで長編を出してもらいたいですね。
