憐 Ren 刻のナイフと空色のミライ

yomimaru2004-10-30

第9回スニーカー大賞奨励賞作品。優秀賞2作は、タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔(六塚光)*2、タイピングハイ! さみしがりやのイロハ(長森浩平)*3とはかなり毛色が違う作品。ナイフとかミライとか、新伝綺系の印象を受ける副題ですが、内容は伝統的なジュブナイルSFです。
冒頭の話とか、何となくギャルナフカの迷宮(小川一水)の雰囲気だな、と思ったら、設定がかなり似かよっている感じ。もっとも本作の場合、主人公玲人と怪しいクラスメイト憐との、何とも気恥ずかしい青い交誼の結びように焦点が当てられています。
ともかく本作は、熱い友情モノ。同じ熱さでも、とある魔術の禁書目録(鎌池和馬)*4逆境ナイン(島本和彦)*5のような効果線が太い熱さなのに対し、本作は みんなで卒業をうたおう(紡木たく)*6のような細い熱さ。
あの頃は、今から考えれば小さな問題にこだわっていたな、と懐しさを覚えました。
学校という社会の特殊性や学校内での各種イベントにヒロイン憐が置かれる状況がうまく嵌め合わされていて好印象。続編はないと思うので、新作が楽しみです。