パーフェクト・プラン

yomimaru2005-02-07

bk1
著:柳原慧 画:松崎理 宝島社文庫*1

かつて腹を貸して出産した子供を救うため前代未聞の「身代金ゼロ! せしめる金は五億円」の電脳誘拐劇を図る良江達だが、正体不明のクラッカーが原因で彼らの団結に亀裂が――第2回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
2004年2月の単行本がたった1年で文庫化というスピードには驚き。一気呵成に物量で押し寄せる予測不可能性、逆転また反転の嵐に最後まで圧倒されっぱなし。
幼児虐待、オンライン株取引、ES細胞、美容整形、クラッキング等、ガジェット満載の本作、星々のクーリエ(陰山琢磨)*2にも似た贅沢さがあります。
もっとも、これらのガジェットが、もはや最新流行のものでない匂いを醸し出しており、現実世界の時の流れの速さにもびっくりです。
肉は腐りかけが旨いといいますが、ナマ物性が高い本作、「今」がお薦め。