キリサキ
姉さんを想いながら寿命を残しつつ死んだ俺は、案内人の口車に乗せられ、霧崎いづみに転生してしまった。いづみの姉ひとみの眼を盗みつつ《俺》を探る俺の廻りで、連続殺人犯キリサキの新たな被害者が――
絶賛LOVE寄せ中だけど一応このレーベルだし、平井骸惚シリーズ*2はハイカラミステリーなので、少女がくれた木曜日(新井輝)*3の方向性かなと思っていたら、サイキックサスペンス系でした。スカイハイ(高橋ツトム)*4ともちょっと違う。
大鋏自殺志願(マインドレンデル)を振るう零崎双識の人間試験(西尾維新)*5同様、本作でも鋏が重要な鍵になっています。でも、全体を流れる基調は、ハサミ男(殊能将之)*6や12月のヴェロニカ(貴子潤一郎)*7系かと思います。
各章が先へ進むことを強いる惹句で終わっているので、途中で止めることができません。真犯人への謎解きも素晴らしい。読み返すのもまた楽し。
新本格魔法少女りすか(西尾維新)*8「影あるところに光あれ。」ラストの創貴を見てもOKな、寛容な読書人なら絶対のお薦め。
