憐 Ren 錆びゆくココロと月色のナミダ

yomimaru2005-03-31

bk1

未来から現代に流された憐に課せられた刑罰は、避けられぬ将来を見通す力。運命に抗う彼女と、正体を知らぬまま彼女を支えるクラスメイトたち。そんな1年4組に新たな転校生が――ピュアジュブナイルストーリー。
前作に続き、憐とクラスメイトとの交流が実に青春しています。少年ドラマシリーズを彷彿とさせる展開の今巻は夏休みと文化祭が舞台になっているのですが、嫉妬に喧嘩に和解に、と、中学生日記のような展開が実に素晴らしい。玲人と憐のじゃれあいも快調。
未来での境遇から、自分だけ幸せになってもいいのかと忸怩たる思いを抱き、人を寄せつけまいとする憐が、次第に周囲に心を開いていく様は、何だか野生の猛獣がだんだん人間に馴れていくよう。
憐の《初めての女友達》が生き生きしている今巻、お薦めです。