とある魔術の禁書目録 5

yomimaru2005-04-12

bk1

御坂美琴の2万人のクローン殺害により自身のレベルアップを図る実験を上条冬馬に敗れて断念した一方通行(アクセラレータ)。目的を失なったまま自堕落に暑い日々を暮らす彼の前に、20001番目のミサカが――御坂と一方通行と当麻の夏休み最後の一日を描く学園アクション。
一方通行とミサカの出会いを描く「第一章 とある科学の一方通行」は無気力男と脱走女のパターンでカスタム・チャイルド(壁井ユカコ)*2と同じモチーフを使っています。第3巻*3では単なる敵役に過ぎなかった彼が、ミサカとの出会いによって変わっていく様を克明に描いています。個人的には、この章を読むためにこのシリーズを読んできた! という感じ。
本シリーズは「熱さ」が身上というのは衆目の一致するところ。本作は短篇連作構成で各章最後のオチが爽快であるためか、夏休みが舞台であるにもかからわず、暑さを引かせる涼風を感じます。ケーキバー単独だとそんなに食べられないが、スープバーと組み合わせると塩味で中和されて結構胃に入る、という感じかも。
本来のヒロインの禁書目録(インデックス)は全然活躍していませんが、お薦め。