スレイヤーズ!

yomimaru2005-06-03

bk1

天才魔道士にして戦士、天下無敵の美少女リナ=インバース。盗賊殺しの異名を持つ彼女の行く先行く先騒動が巻き起こって――第1回ファンタジア長編小説大賞準入選作。スレイヤーズが好きだった僕を肯定するために再読。
1990年の発行なんですが、さほど古臭いと感じなかったのに驚き。どんぐり眼で胸が平らでチンクシャでケチで意地汚くて悪知恵が回ってしたたかで何よりたくましいリナ(15歳)の姿は、そのとき翼は舞い降りた(高殿円)*2フランチェスカとかかくて災厄の旅ははじまる(佐々原文緒)*3のトパァズとか、昨今の女性作家が描く私好みのヒロインに繋がるものを感じて、かえって新鮮。手元で見つかった昔の巻を何冊か読み返してしまいました。
ダーティペアの大冒険(高千穂遙)*4のユリとケイは「公務員」なのに、気儘なリナは「自由業」。同じ破壊系一人称でも、職業が違うと大分印象が違います。退かぬ媚びぬ省みぬリナにバブル景気時代のオヤジギャルをちょっと思い出したり。男に頼るのでもなく男に頼られるのでもなく自主自立の彼女、十代の峰不二子という感じかも。
読む前は、子供の頃の想い出はそのままにしておいた方が、という不安もあったのですが、意外にも、とんでもなく楽しめました。お薦め。