円環少女 (1) バベル再臨

円環少女 (角川スニーカー文庫)

小学六年生の美少女 メイゼルに振り回されるニセ教師 仁。幾千もの魔法世界からやってきてこの世界を荒らす魔道師を倒す運命を負った彼女とそれを監視する係官の彼の間に、魔法に目覚めた女子高生 きずながやってきて――灼熱のウィザーズバトル。
BLOOD LINK―獣と神と人(山下卓)*2よりもさらに広い年齢差で仁を「せんせ」と呼んで慕うメイゼル、この歳にして〈女王〉の風格。さすが異世界からやってきた魔道師。
たとえば仁の手にくちづけた後のメイゼルの台詞「あたし強くなって、せんせが心配なんかしなくていいように屈伏させたげるから。せんせは毎日、あたしが作った手料理を、あたしの手から食べて生きていくの」なんか、堪えられません。慕う相手に「屈伏」ですよ。
小学校の教室で乱れ飛ぶ指で作ったハートマークの「大スキ」のブロックサインが魅力的な作品です。ハードなバトルの長篇と、小学校でのドタバタの短篇集の両方が出るといいなあ。