ぼくのミステリな日常

yomimaru2006-01-09

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社内報編集長若竹七海の元に毎月届く匿名作家の連作短篇の原稿。毎月の連載の反響の大きさに、編集長 七海はうろたえるのだが――十二の物語が謎を呼ぶ寄木細工長編のデビュー作。
日常ミステリーとホラー風味の短篇が十二本掲載されているのですが、個人的には、ホラー風味の「消滅する希望」「吉祥果夢」が好み。各話の間に挟まれている社内報「ルネッサンス」の表紙もよく出来ていて、社員同士が連載で論争をしているところなども面白いです。
89頁のイラストは作者本人の手によるものですが、文字が少しだけ女の子文字な感じでちょっと意外でした。
掌の中の小鳥(加納朋子) *2でも感じましたが、プロローグがあるミステリー連作短篇集って、神の意思に基づく偶然の積み重ねに基づいて倒叙的な構造が作られている作品が多いような気がします。お薦め。