哀しみキメラ

yomimaru2006-02-13

bk1
著:来楽零 画:柳原澪 電撃文庫*1

偶然エレベーターに居合わせた四人に憑いてしまった〈モノ〉。飢えがおさまらない理由は、〈モノ〉が喰らうべきは人間だから――ダークな色調の第12回電撃小説大賞金賞受賞作。
彼らが普通の人として生きていけなくなり、かつて交際していた人と別れ、と、キマイラ吼シリーズ(夢枕獏) *2を思い出しました。
同居生活を始める四人、険悪な雰囲気をおさめようと鍋を囲んだり。普通の人間なら一緒に食事をすることで和むわけですが、彼らの身に起きた変化のために、この作戦が失敗するところが哀しい。
個人的には、異形のモノに変化してしまった主人公の男の子が、連れていって欲しいという女の子の願いにほだされる、一緒に住んでみれば別に問題ないない、という展開のハッピーエンドの方が好きなんですが、この話のトーンには合わないかも。

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