王子に捧げる竜退治
結婚を強制され親に反発する王子に「一番みっともない」との理由で選ばれた貧乏貴族の娘ドリーは、世に自身の素晴しさを知らしめて彼を見返すため、旅に出る――最近の乙女の流行は竜退治ファンタジー。
なけなしのプライドを傷付けた王子に対する復讐のために行動開始、というのがとにかく新鮮。その行動が、王子を直接攻撃するのではなく、自分自身の価値を高めるものであるところがいいですね。屈辱をバネに彼女を助ける姐さんとともに、女の子として愉しみながら生き生きと動き回る展開が好み。
王子への復讐と竜退治での称賛では、目的と手段がずれているわけですが、このズレに、アリーテ姫の冒険(ダイアナ・コールス) *2やシュレック*3よりも時代的に後に到達した肩肘を張らない女の子の感情の境地を感じます。
ちょーシリーズ(野梨原花南) *4のキャラが出ているだけではなく、世間知らずの王子に使える実はちょっと腹黒い家臣という設定にも、番外編らしさが出ています。ちょーお薦め。
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