ソフトタッチ・オペレーション
休みの居酒屋の店内でお目当ての店員マイさんに誘われるまま酒を舐めていたはずの浩美が気付けば、白い壁の部屋に閉じ込められており――表題作「ソフトタッチ・オペレーション」を含む超能力ミステリー短篇集。
本作は、魔術を肯定した世界での謎解きトリックスターズL(久住四季) *2と似た趣向で、超能力の存在を前提にした謎解きシリーズ。
超能力や魔法を設定に組み込んだミステリーは、犯人は誰か、如何にしてそれを行ったのか、よりも、そうしなければならなかった理由は何か、に重点が置かれることが多いように感じます。犯人がそれをするに至ったそもそもの《動機》と犯人の行為の《理由》とのずれが、驚きのポイント。
表題作は、浩美の何ともマニアックな趣味が赤裸々に語られているんですが、根本的なところで明るい彼の性格が、すべてに幸いしている感じで微笑ましい。
神麻嗣子の手料理の、タイの刺身のマリネ風は松皮造りの変形かな？
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