小説の読み方

娯楽のキモは、逃亡と謎解き

エンターテインメント作品の二つの特徴を『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎) *2に見る――どこを見て、何を語るか、感想を語りたい人、作家を目指す人への読書論。
プロの作家が他人の小説を読む時に注目する箇所と、自分が読書感想を書くときと、で、どれだけの違いがあるのか興味深く読み進めました。『ゴールデン〜』の読み解きでは、「焦燥に駆られている主人公の視点であるだけに、描写は、事実確認だけの素早いものでなければならない」との指摘。「あるシーンではある音素をできるだけ使わない」(桜坂洋)ことで文章のイメージを決める試み*3にも関係ありそう。
ケータイ小説『恋空 ―切ナイ恋物語―』(美嘉) *4 *5の分析での本文引用は、新書だけに縦書きで印刷されているんですが、以前に横書の本で読んだときとかなり印象が違っていて、良し悪しでは語れないデザインの差を感じます。
本書の内容紹介には、「ブログで感想を書くときに役に立つ」とあるんですが、今後の参考になるかどうかはともかくとして、ライトノベルの文に登場する句読点の数や頻度にひたすら注目していた「句読点日記」のかつての記事を懐しく思い出しました。

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