君の居た昨日、僕の見る明日 1 ―STARTING BELL―

yomimaru2004-08-24

表紙の絵と題名と帯のコピー「そこは、優しい嘘で出来た世界…」を見て著者はろくろく確かめずに買ったので、MF文庫J清水マリコ風味*2かと思っていたのですが、大分違いました。普通の学園モノだと思ったのに、まさか学園幽霊モノだとは。
冒頭に事件のすべてが終わった後の主人公の語りを入れて、おそらく悲しいであろう結末を匂わせる構成は、最近だと新井輝*3が思い浮かびますが、本作の場合は詳細は語られず、「すべてが終わった」ことだけが暗示されています。……とダッシュが多いですね。
此処ではないどこかへ行きたいと願う失恋少年優紀が、可愛い女の子の幽霊たちと謎の学園内で交流を始めるところで本巻は終わり。この後の連載では、彼女たちを成仏させ、「此処」へ戻ってくる話になるのでしょう。彼女たちをどう成仏させるか、が、作家の腕の見せどころになると思うのですが、何せまだ1巻ですし、幽霊じゃない新キャラの女の子も予定されているようです。すでに6人も女の子がいるのに、さらに新キャラを出してどうするのだ?という気がしないでもないです。
ヒロイン鈴乃宮が優紀を抱きしめるシーンが何箇所かあるのですが、各シーンごとの差異が結構好み。続きの巻が出たら読むつもり。