殿がくる!

yomimaru2004-08-30

第3回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞作。信長活躍物というと、内閣総理大臣織田信長(志野靖史)*2とか織田信長推理帳(井沢元彦)*3 *4とかとついつい比較しがちですが、本作と対比すべきは吉永さん家のガーゴイル(田口仙年堂)*5ではないか、と個人的には思います。
頼りない男の子(信一郎/和己)と乱暴な女の子(内藤/双葉)、喧嘩ばかりしているように見えて実は仲の良い二人の元に、現代の常識を知らない超人(信長/ガーゴイル)がやってきて引き起こす珍騒動! 実はこのキャラ配置が今年のブームだったのかも、と思ってしまったりもします。
ガーゴイル1巻は、和己達とガーくんのやりとりを経てガーくんが成長する話であるのに対し、本作は、信長は勝手に現代に適応していってしまい、むしろ成長が見られるのは信一郎である、という構成上の違いがあります。作者も信一郎の成長を描くことに心血を注いだ模様
ある意味ファミ通文庫の「顔」になりつつあり、しかも異様に書くのが速い田口仙年堂との半年の差は大きいようにも感じますが、次の作品が出たらまた読みたいと思いました。