ラーゼフォン 時間調律師

yomimaru2004-09-05

ニューウェーブフェアの銀色の帯に隠れて背表紙の著者の名前が全然見えなかったので、買ったときには神林長平だとは思ってませんでした。
16歳から始まる死と生の繰り返し、曖昧になっていく記憶。異世界の自分から「ラーゼフォンを起動せよ」という通信文を受け取った村瀬明は、この時間ループから抜け出そうとするが……。
話のキモが、ひたすら対話で語られているちょっと不思議な文章です。とくまでやる(清涼院流水)*2とか妖星伝第7巻(半村良)*3とかを初めて読んだときの戸惑いにも似ています。もっとも読後感は、銀の三角(萩尾望都)*4学校を出よう!(谷川流)*5っぽい感じ。もしかしたら、最後の8行のせいかもしれないですが。
とにかく、何をどう感じれば良いのか、何をどう言えば良いのか、何だかとても混乱しています。第I章最後、今回のループでの決意を決める

この二時間は自分にとっては遊びではない。シリアスに使わないと自分は永久に幼生のままだ、と村瀬明は思う。永遠の子供だ。

などは、ものすごい好みであることは確かなんですが。