ホーンテッド!
ライトノベル新人賞優秀賞受賞作。ボク女の幼馴染みは告白の直後に自動車事故で死亡したものの、幽霊となって彼に憑きまとうはめに。さらに自殺志願の女の子もおしかけてきて――
トリツキくん(高田裕三)*2が麻雀であるのに対し、本作の主人公の能力は過剰な熱苦しいまでの饒舌と嘘による物量的説得能力。主人公に虚言癖があること、真っ当な女の子がいないことを除けば、正統派ラブコメのような気もします。
一人称シーンがやたらと饒舌、といえば、さよならトロイメライ(壱乗寺かるた)*3とかきみとぼくの壊れた世界(西尾維新)*4とかもそんな感じですが、本作はもっと暑苦しい感じ。
それにつけても、同じ文字列の繰り返し、という文章表現が流行るようになったのはいつからでしょうか。私が知る範囲だと、雫−しずく−*5とか痕−きずあと−あたりが最初なんですが、本当のところはどうか。
ドグラ・マグラ(夢野久作)*6 *7などの狂気の表現と比べるとかなり印象が違いますね。まあ、繰り返し表現をコピペして書いている様を、第三者が横から見たときの感想を考えれば、確かにハマっている文章表現です。
一人称で主人公に虚言癖あり――単なるドンデンガエシではなく、これを利用した叙述トリックを希望。
