復活の地 I

yomimaru2004-10-04

地震に襲われた帝都トレンカ。僻地に封ぜられた内親王スミルは、偶然生き延びた官僚セイオは、そして崩壊した国家の再興は――ということで、今巻は、スミルやセイオが高貴なるものの義務(ノーブレス・オブリージ)に目覚めていくまでが、群像劇的に描かれています。
それぞれの自覚の時期のずれがあり、先に自覚した者のまだ自覚していない者に対するいらだちがよく見えて、良いアクセントになっています。セイオ優秀過ぎ。
ギャルナフカの迷宮(小川一水)では、反社会罪に問われた人々が迷宮の中で「社会」を作りあげていく話で、さあこれから面白くなるぞ、というところで突然描写が年表形式になってしまい、そこが少々残念でした。これと構成が似ている予感がする本作、一体どうなっていくのでしょうか。
これから読むII巻*2、まだ見ぬIII巻にどきどきです。