平井骸惚此中ニ有リ 其参
大正ロマン溢るるシリーズ第三段。売れない探偵作家骸惚のもとに書生として身を預けた河上君。ツンデレの涼、健気な
時代設定の説明が必要最小限に抑えられておりまして。L・O・V・E!分ミステリー分もきちんと入っており。すらすらと読みこなせる感じが何とも嬉しいのでございます。どこを読んでもこの文体。慣れてしまえば気持ちの良いものでございます。
外的な条件が揃ってしまえば、人が人を殺しても不思議はなく。骸惚先生のお説ももっともで。くどくどと動機に拘らない、その潔さがこのシリーズの味なのでございます。