Alice

yomimaru2004-10-13

エルフとドワーフのベテラン刑事コンビが織りなすハードボイルドな現代社会を描いた問題作、銃と魔法*2 *3でデビューした作者が贈る電撃文庫最新作。
アリスとくれば、ロリータものの古典(ルイス・キャロル/柳瀬尚紀)*4かへんな名前の探偵(有栖川有栖)*5かいきなり王子と結ばれちゃう仙道(高河ゆん)*6 *7か、といった辺りを思い浮かべますが、本作のアリスは、いつもの通りハードボイルドな世界、暴力の渦巻く都会で昼は女子高生、夜は探偵。男どもを殴り殺し蹴り殺す彼女の弱点は一つ、ちょっと頭が悪かった。そんな彼女にも、去年同じクラスだった優等生のクラス委員に儚い恋心が。
アリスから思い出される概念と、彼女が置かれた環境とのギャップがなかなかそそられます。彼を前にしたときとそうでないときのギャップもすごい。一本筋の通ったバカバカしさが好印象です。
品切れのようですが、富士見ファンタジア文庫の銃と魔法の表紙は一件の価値あり。貧乏臭いジャンパーに咥え煙草で銃を構えたエルフが中華街を張っているのですよ。すごいギャップだ。続編も公開されています。