眠り姫

yomimaru2004-10-19

12月のベロニカ*2から約2年、ドラゴンマガジンファンタジアバトルロイヤルに掲載された短篇や未発表のものなど7篇が掲載された短篇集。
前半4篇は、本書の前半は、宇宙料理店(津山紘一)*3に似た印象。
この中では、存在しない本の感想文を書いた主人公とそれをきっかけに話をするようになった図書館司書との交感「さよなら、アーカイブ」が好みですね。
濃縮小説形式で描かれた「眠り姫」は、何だか、ダブルキャスト*4で「それから俺達の奇妙な同居生活が始まった」という一文とともにせっかくのエピソードが1枚絵のみで提示されるような勿体なさを感じました。
後半の「探偵真木」は、ウィノナ・ライダーファンのヤクザ橋爪と音楽/映画マニアの探偵真木との奇妙な友情を描いた3篇。いつこんなのが載ったんだ? DM/BR誌って懐が深いなあ、と思っていたら未発表作品と書き下ろしでした。蘊蓄臭さがたまらないのでもっと読みたいのですが、こういう形で出ちゃうということは望み薄なのかな。
父親のことを「ダディ」と呼ぶのがハイソっぽい、っていうのを見たのは、巨人の星(梶原一騎/川崎のぼる)*5の伴宙太以来。こんなところでも細かく笑いを拾っています。