ネペンテス

yomimaru2004-10-27

今回は嘘シリーズの長篇ではなく、8話構成の短篇集。触れると相手の弱点がわかるトオ、触れると相手の強みがわかるシニー、動揺して嫌な奴と思うとそいつがひどい目に合う能力を持つ祐胡、祐胡の前でだけ一人称を自分の名前で呼ぶ甘えっこ妹まみがちょっとずつ重なる連作です。
「青い目の少女」や「電脳紙芝居オジサン」には、ハンカチの上の花畑(安房直子)*2や深淵を歩くもの(小中千昭)*3とか立原えりかの後味の悪い(この世から消えてしまう系の)短篇のような怖さがありますね。
ゲーム関連作家・脚本家つながりですが、全部を構成し直して、宇宙人のお兄ちゃんはドロドロ満月星人や(アフロ13/佐々木智広)のような、一人で何役もやるタイプの3〜4人芝居にすると面白いような気がします。そういうのを少女童話でやらないかな。って活動中止か。
熱湯の中で暖めるだけでできるハンバーグであっても、フライパンで暖めてちょっと胡椒だの醤油だのソースだのを加えた方がずっとおいしいと思うのだけど……放置状態の子供の食卓でそれなりに自炊しているのは褒められることではあるのですが。