プリンセスの一人軍隊

yomimaru2004-11-05

著:渡邊裕太郎 画:大林森 ソノラマ文庫*1

優秀な裏方国連戦士だった南郷は、ふとした騒動がきっかけでこの世の常識を知らぬまま育てられたお金持ち沙織の召使いに。ところがその騒動、沙織を狙う魔の手と何か関係が――
本作は、フルメタル・パニック!(賀東招二)*2 *3の設定の、逆とか裏とか対偶とかに相当するものですね。フルメタの場合、優秀な戦士である宗介が非常識で、かなめは常識あり。本作は、優秀な戦士である南郷が常識ありで、沙織が非常識。南郷には、テッサが休暇時にかなめの高校に転校してきたときの宗介の憔悴ぶりに通じるものがあります。
沙織の反応がいちいち過激で比喩が通用しないところには、空の中(有川浩)*4における白鯨とかフェイクの反応を思い出しました。ある意味身も蓋もないあたり、ほりえもん逸話にも通じるかも。
フルメタだと長篇と短篇で別々に分かれているシリアスパートとコメディパートの両方が一冊にまとまっているのは、ある意味お徳かもしれません。