ヒトクイ

yomimaru2004-11-17

bk1
著:御堂彰彦 画:もりそばん 電撃文庫*1

第7回電撃ゲーム小説大賞審査員奨励賞受賞後、新たに電撃hp 27号〜29号*2 *3 *4に連載された作品の文庫化。ともに事故に遭い、暗闇の中に閉じ込められた中での彼女の遺言は「私が死んだら食べてもいいよ」だった。最後のくちづけのいい匂いにもう一人のボクの欲望がくすぐられる――
過去の事故のときのトラウマから逃れられない倖一と、死んだ彼女と同じ匂いがする少女瞳との交感が切なく描かれています。メロドラマにありがちな、「死んだ彼女にそっくり」が、伏線として大きく生きており、プロットが練り込まれている風情が感じられます。
もう一つメロドラマにありがちな「出生の秘密! 実は私は○○だった!」にヒロインがガガーンとなるだけでは終わらず、きちんとこれを乗り越えているストーリー展開には好感を覚えました。