六番目の小夜子

yomimaru2004-11-22

bk1
著:恩田陸 画:水口理恵子 新潮文庫*1

星虫(岩本隆雄)*2に引き続き、日本ファンタジーノベル大賞選考作の読み直しモードです。新潮文庫ファンタジーノベル・シリーズで発行された後、絶版になってから大幅加筆して単行本化されたものの文庫化。本作、最初に出たのが12年前ですから、もはや記憶の彼方で、どこが加筆されたのやら、という感じではありますが。
地方進学校で毎年秘密裏に一人だけに受け継がれるはずのサヨコ。そのサヨコの前に、謎の転校生津村沙世子が「サヨコ」の姿をとって現れた――
サヨコは、三年おきに文化祭で芝居を演じなければならないのですが、今年の出し物のシーン、そのセリフと演じられ方のギャップに、恐しさを感じます。芝居の脚本、全部読みたかった。
今のレーベルなら、富士見ミステリー文庫講談社X文庫ホワイトハート向きでしょうか。本作、残されている謎も多々あるので、もしこれらのレーベルで出ていたら「七番目の小夜子」が出ただろうに。そこがちょっと残念です。
さあ次は、planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜(著:涼元悠一/画:駒都えーじ)*3の予習の意味も含め、同優秀賞受賞作の青猫の街(涼元悠一)*4で温故知新だ。