12月のベロニカ

yomimaru2004-12-14

bk1

昨日の読書で徒らに刺激された成分*2 *3を補充すべく再読。
その生涯を眠り続けることに捧げる巫女ベロニカを継ぐこととなった少女と、その騎士となりともに死ぬ運命の体を得て彼女を守ることを願う少年。敵国の兵から彼らを救った隻腕の流れ者の秘密とは――第14回ファンタジア大賞受賞作です。
何といっても特筆すべきは、現在の事件経過と過去の回想とが交互に提示される構成です。この神話的な重ね合わせこそが、本作の本質と言っても過言ではありません。
少年も流れ者も騎士団の構成員も、出てくる男ははっきりいってみんな嫌な奴なのですが、それがストーリー上極めて重要。
ネタばれ危険作が好きな人はもちろん、A-A'(萩尾望都)*4オイディプス王(ソポクレス)*5ドグラ・マグラ(夢野久作)*6 *7あたりが好きな人も、そして、本読みを自認する人にも、絶対のお勧めです。