バクト!
教え子の両親の借金を肩代りするために美人教師音無素子がハマッたギャンブルの罠。すべてを失った音無が頼ったのは、賭博必勝の書「ダランベール黙示録」を持つ7歳年下の高校生国定ヒロトだった――ギャンブルミステリーです。
音無のギャンブラーとしての出来の悪さというか、悪い意味での人の良さというか、彼女がアツくなってハマっていく様が実に良く描かれています。金銭感覚が麻痺した状況でのカードの読み合いの緊迫感、というか、読んでいるこっちがそれをやるな！ と緊迫してしまう感じもいいですね。
音無にヒロトが勝負を教える形で話が進むので、初心者でも安心してギャンブルの世界に馴染んでいくことができます。
第4回富士見ヤングミステリー大賞受賞作ですが、最後のオチはLOVEでない富士ミス風味で、文章構成は私が結構好きなパターン。
今巻では、カードとルーレットがメインで牌譜は出てきませんが、題名だけでも凄い東一局五十二本場(阿佐田哲也)*2が好きな方にお薦め。
