吉永さん家のガーゴイル6

yomimaru2005-01-21

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著者不明の台本を上演することになった演劇部の制作進行片桐桃の作戦にのせられ、女顔の和己も出演することに。ところが上演中止を求める脅迫状がやってきて――
本巻は、ツッコミは鋭いのに恋愛沙汰には激ニブの和己が大活躍! 双葉もガーゴイルも兎轉舎のお姉さんも、単なる脇役。つまり、本巻はご町内正義の味方錬金コメディではなく、熱血演劇コメディなのです。
劇中劇というと、永遠の名作のクララ白書(氷室冴子)*2 *3、昨年読んだマリア様がみてる 特別でないただの一日(今野緒雪)*4、1冊だけしか出てないと思う銀河鉄道スペースジャック(相河万里)*5、話は良いんだけど再上映が長いGREEN〜秋空のスクリーン〜(ジェリーフィッシュ)*6などがありますが、本作も、本筋と劇中劇の筋とを重ね合わせる二重構造になっています。
上演までの躁状態を熱血に描くのも、劇中劇の筋が本筋に収斂していくのも、どちらも好き。
それにしても、六番目の小夜子(恩田陸)*7が演劇モノとして思い浮かぶのにえらく時間がかかったのは何故だろう。